初島の『辻本』さんでゆるく、楽しい体験を【№235】
みなさん、こんにちは
いつも、紀州有田商工会議所女子ブログ
にお越しいただきありがとうございます
9月です。
当ブログ読者の皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
かくいう私はといいますと
グレマシタ
社会人●0年の私の疲れた心にお盆の連休は長すぎたようです。
仕事初めからこれが手放せません
ふぅ…仕事の合間の一服は
やめられませんなぁ~
バリバリ
と、小話はここまで
今回はこのココアシガレットの入手ルートである
有田市初島町の「辻本」さんに取材に行ってまいりました
場所はJR初島駅の近く
以前、当ブログで取材させていただいたカフェARCさんのお隣です
(女子ブログ記事)
なかなか歴史を感じさせる建物
それもそのはず、こちらは築60年の空き家を改装したお店
ARCさんの取材時に同行したにも関わらず
若干迷ってしまった私たち取材班
お待たせしてはいけないと
さっそくお店にお邪魔します
おお~
駄菓子がいっぱい
そう、ここは今では珍しくなった駄菓子屋さん
今年5月5日にオープンした辻本さんは
大きく告知していなかったにも関わらず
当日は開店前から地元の子供たちが集まり
大人のお客さんもたくさん来てくれて
「100人以上きてくれたんじゃないかなぁ」と
ずっとレジにつきっきりで嬉しいけど大変だったとのことです
と、ここでなじみのないものを発見
こちら通称OMA袋という辻本さんオリジナルの袋
農業に使う「種もみ袋」というのがあるんですが
駄菓子のセットなどに使う袋として
手作りしているとのことで
丈夫で防水性も抜群で、人気なんです
そしてこの袋、注目すべきは機能面だけでなく
この袋についたキーホルダー
そこには「あ、だけでわかる関係性」の一言が
なんやそれ?な言葉がランダムに書かれていて
自分の気に入った一言が書かれている袋を選びたくなっちゃいますね
色々置かれている駄菓子さんをみていると
思わず購入してしまう取材班
こんなに買っても300円でおつりがでるんですよ
豪遊ですわ
金曜の夜はARCさんの夜カフェに合わせて20:00~23:00まで営業されているので
ARCさんのお客さんや、塾帰りのお子さん、小腹がすいた近所の方もふらっと立ち寄ってくれるんだとか
駄菓子屋さん
大好きなお菓子がたくさん並ぶその場所は
子供にとってまさにこの世の楽園
なつかしく楽しい場所なのです
…とノスタルジックな気分に誘っておきながら
ここで衝撃のお知らせです
実は、辻本さんは駄菓子屋さんではありません
辻本さんの正体は複合施設
駄菓子屋さんはその一端なのです
始まりは2020年4月、「チーム辻本」の中心人物 梅本修平さんが有田市の消防署から市役所に出向
そんな中、2022年1月末 ENEOSの撤退の話がでて市役所にも問い合わせの電話が多く寄せらました
その対応に追われながら、じわじわと「このままでよいのか」という
漠然とした不安にかられたそうです
そんな中、市役所の山原さんと話しているうちに「何か地域でできることはないか?」という話になり
その一環として「みんなが楽しく集まれるヒト・モノ・コトの実験場 Tamariva」を実施
そこで初めてまちづくりというものにふれ、活動するように
一方、市役所勤めで消防署と違い完全に土日が休みになった梅本さんは
奥さんである真美さん(OMA袋を手作りしてくれているのも真美さんです
)が働いていて
現在お隣になった土日営業のARCさんにすっかり入り浸るように
初島で過ごす時間が長くなり、ご夫婦共々地元の人とも接する機会が増えてきたとき
隣の空き家が気になってきました
元々、新築より古民家などを改装する方に興味があった梅本さんは
ずっとここを狙っていて、どこに連絡とればいいのかと悩んでいたところ
2022年の10月末頃に空き家バンクに登録されたところを発見
申し込んだ時点ですでに4番目でしたが
どうにか2023年の4月に仮契約
当時この家をどうするかは未定でしたが
とにもかくにも荒れ果てた家の片づけに半年奔走
そろそろ用途について考え始めたころ
ARCさんで出会いがありました
雪国・岩手から東京へ、そして奈良へ移住して3年
「もうちょっと行ってみよう」と思った時
ツーリングにきた有田市の海・山・川、
そしてみかんのおいしさに心を奪われ
初島に移住された アーティストのデンジャー佐藤さん(通称でんちゃん)が
「何か楽しそうなことしてる~いれて~」と
縁側にあらわれるようになり
さらに、京都で仕事をしていて
地元の広川町に帰ったときにARCさんに来ていた
グラフィックデザイナーの宮井章仁さん(通称ショージくん)も
ちょうど地元に作業場所がほしかったと仲間に
こうして梅本夫妻、でんちゃん、ショージくんで
「チーム辻本」が結成しました
ちょっとまって 辻本ってどこからきたん?
そう思った方…よく言われるそうです
確かにメンバーの中に辻本さんはいませんが
この空き家が元々「旧辻本邸」だったことから、
それがなんだがしっくりきて「辻本」に決定したそうです
みんなそれぞれ仕事を抱えるメンバーが
ゆる~く集まるようになって辻本は始まりました
しかし、複合施設とは?
駄菓子屋の奥の扉に案内していただくと、そこは本宅とつながっていて
そこにはTHE昭和のお家が
私の第一印象は「おばあちゃんの家に似てる」でした
畳がところどころグワングワンなところとかそっくりです(笑)
このスペースでは、
今は、お店に来てくれたお子さん連れの家族さんがくつろいだり
近所のおじちゃんがふらっときてねころんだりしていますが
これからどう活用するかを考え中とのことです
お家の中には梅本さんが片付けをしていに見つけたものがたくさんあり
こちらは戦時中、徴兵された方が戦地に行く前
何か残したくて最後に作った船の模型とのこと
他にも戦時中、国から送られた家族への死亡通知も見つけた梅本さんは
こんな一枚の紙で家族の死を知らされるってどんな気持ちなんだろうと感じたそうです
そんな色々考えさせられるものもありつつ、さすが歴史が長い家
他にも築110年の旧 辻本邸本宅と駄菓子屋の店舗は築60年で元資生堂さんの販売店
(その前は下駄屋さん)だったため
たくさんの販促品や食器や本が残されていたんだとか
これを活かせないかと、まず始めたのが
「週末古道具店」
近所の方も数点買ってくれて
海苔の大きなガラス瓶はカフェの人に買われドライフラワーを中に入れて、おしゃれなオブジェになったらしいです。
梅干しをつける以外の用途があったとわ
(昔、海苔は大きい瓶にはいってお歳暮とかにもらうものだったんですよと若い取材班に切々と語るほど私も年をとったらしいです)
また、インスタグラムに投稿したところ、遠く広島から来てくれた人もいたんだとか
空き家や食器など、もう使わなくなったものも
持ち主や用途を変えながら引き継がれていく感じはなんかいいですね
他にも辻本さんでは8月にアーティストでんちゃんと高校生の鬼若丸さんで
ライブペイント開催して集まった人に楽しんでもらったりと、思いついたことがどんどん形になっています
お店にはでんちゃんの作品や短い時間で描いた似顔絵を楽しむこともできます
駄菓子屋もでんちゃんの「駄菓子屋しようよ」がはじまりでした
10円からお買い物ができて、1歳のお子さんから99歳おばあちゃんまで
年齢・性別関係なく皆が気軽集まれる場所
ということでメンバーが賛成して
それぞれできることをして開店することになりました
採算のことは考えなかったとのことです
だからといって地域貢献のため!というわけではないと梅本さん
何かのためと考えるとしんどくなるし、
自分たちが楽しいことをして、それをみんなにも楽しんでもらえて
まわりまわって地域貢献になれば…という気持ちでやっているとのことで
「まぁ、普段の仕事でまじめにやっているんで、ここでまじめにやってたら帳尻あいません」
と消防士ジョークをかましてくれました
ゆる~く、自由に、ルールを決めない
完成もしない
駄菓子屋のむき出しの壁やレイアウトにみかんのコンテナが使われていることも
この「完成しない」の表れなんだとか
人が集まって、だべって、コーヒーを飲んだり、お菓子をつまんだり
ゆる~く集まってたり、別々のことをして時間を過ごす
人がただそこにいて、毎日を過ごす。
その積み重ねが地域の歴史になるのかもしれませんね
なにやろうか、あれやろうよと楽しくこれからのことを話すそんな場所。
駄菓子屋だったり小道具店だったり、ギャラリーだったり、
これからまた別の何かになるかもしれない初島の「辻本」さんにどうぞご来店ください
辻本
住所:有田市初島町浜1318-1
営業時間・定休日:週によって変わる場合があります。詳細については
Instagram(@tsujimoto_arida)やGoogleでお知らせしています。